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第61回シンポジウム

第61回 シンポジウム

今求められる、食品長期保存技術とその包装の役割
東日本大震災から2年が経過し、災害などの非常時に向けた「備蓄食品」の需要が高まるなか、一方で持続的な食生活確保のために、セーブ・フード(食料廃棄の低減)の考え方が広まりつつあります。その中で大学機関、食品メーカーなどによる長期保存化技術の発展により、それらを反映させた商品の幅が広がりをみせております。
本シンポジウムでは、その最新の長期保存化に関する技術を紹介し、パッケージにて解決すべき課題を明確化していきます。
担当幹事:石原智幸(吉野工業所)、森哲志(森永乳業)、北澤裕明(農研機構食品総合研究所)

日時 :平成25年6月18日(火) 10:00〜16:40
主催 :日本包装学会
協賛 :日本包装技術協会
後援 :日本食品包装協会、軟包装衛生協議会、日本接着学会、日本食品科学工学会
会場:きゅりあん 6F 大会議室 (東京都品川区東大井5-18-1(JR大井町駅前) →地図を表示
〒140-0011 東京都品川区東大井5-18-11(JR大井町駅前)  電話: 03 (5479) 4100

プログラム:

10:00〜11:30 「食品の長期保存技術に関連することについて」
HIRO・包装設計研究所  佐々木 敬卓 氏
食品の長期保存技術は、食品および包装に関する資源や環境、さらには災害との関係においても必要かつ重要な技術である。しかしその食品や包装は、安全・衛生・安心さらにはおいしさ・使いやすさ等の一定の条件に入って、初めて受け入れられるものである。この様な事を考慮し、食品の長期保存技術を考える上で必要と思われる事柄についてまとめた。
12:30〜13:40 「食品の長期貯蔵を可能にするための技術」
 
東京工業大学 教授  高井 陸雄 氏
食料・食品の貯蔵は人類がこの世に現れたときからの課題である。品質劣化の原因は化学変化、微生物・菌類、昆虫類による食害等々を挙げることが出来る。缶詰の発明はナポレオンの新携帯食品発明懸賞が契機であり、瓶詰めを提案したニコラアベールであるが、加熱殺菌理論は未だ無かった。ここでは食品の貯蔵技術について概略する。
13:50〜14:50 「大災害時代における食品の保存を考える
−東日本大震災における食品供給の現実と包装の役割−」
 
宮城大学 教授  宮原 育子 氏
東日本大震災では、岩手県、宮城県、福島県の太平洋沿岸が地震津波で被災し、地域によっては半年近くも住民の食料調達に苦しむ事態となった。本講演では、被災の経験や記録をもとに、被災者の食事の状況等を紹介し、今後の我が国の災害に向けた食料確保や食品の長期保存、非常食の在り方について、問題提起する。
15:00〜15:45 「"食業人"を育てる −東洋食品工業短期大学における包装食品技術者教育−」
 
東洋食品工業短期大学 教授  竹之内 健 氏
東洋食品工業短期大学は、日本で唯一の包装食品工業科を有する短期大学であり、1938年の創立以来、包装食品技術者を養成してきた。近年の、包装食品産業を取り巻く環境変化に伴い、本学教育の重要性は増しており、一方では、教育内容の革新が求められている。本講演では、本学の教育およびその将来展望について述べる。
15:55〜16:40 「レトルト食品の品質を向上させる殺菌方式」
 
東洋食品研究所  田口 憲人 氏
常温保存する容器包装詰食品は、容器内の有害微生物を加熱殺菌する。この加熱が長ければ、食品の品質は損なわれる。その為、食品への伝熱速度の改善は重要であり、加熱時間を短くする方法の一つに動揺殺菌がある。本講演では、動揺殺菌のうち摺動式を用いた熱伝達効率の向上とそれに伴う品質について述べる。